ぼくとデカフェ
新しくメキシコを追加しました。
こちらのメキシコはカフェインレスです。
今年のはじめ頃からデカフェに夢中になりまして、そこそこの数を試してこれがよかったなあとなりました。
カフェインを抜く方法は主流なものでもいくつかありますが、原理はほとんど同じです。
まずはじめに、捨て豆としてのコーヒー生豆を用意して液体に漬け、成分を溶かします。
その液体からカフェインだけを取り除いて、カフェイン以外が入っているその液体の中に、製品化する生豆を浸します。
そうすると、生豆からはカフェインだけが液体に移り、カフェインレス生豆の完成となります。
国や工場によって使用する液体に違いがあり、超臨界二酸化炭素、液体二酸化炭素、水の3つがあります。これは溶け出すスピードに差があるようですが、液体の温度が違えばそこにも違いがあります。同一条件なら、超臨界が1番早く、水が1番遅いようです。
わかりやすいサイトとかでも、図式があったり、カフェインレスはこの液体の種類や方法で香味が決まりそうなイメージで語られる事が多いのですが、こんな液体にいくらつけたところで、それだけでカフェインが99.9%も除去されるわけがありません。
カフェインレスコーヒー豆の全ての豆は、液体に漬ける前に、豆をふやかす前処理と、びしょ濡れになった豆を一定の水分値まで乾かさないといけない後処理があり、大胆な工場では豆の外側を削ったり、蒸し器で蒸したり、超高熱のドライヤーの爆風で乾かしたりします。
素早くやればコストダウンになりますので、その分安くたくさん作れますが、想像通りに風味が抜けてしまったり、味への影響が大きくなります。
ですが、カフェインが0に近くないといけないというイメージで、カフェインレスコーヒーが販売されている限り、この作業はずっと続きます。
もし、カフェイン50%カットでもいいよ、という声があれば、もっと美味しいデカフェができると思いますが、そんなちょっと優しい感じの物作りは現代的ではないですね。
そういう事なので、このデカフェももれなく前後の処理をしているのですが、このデカフェが他より美味しいと思ったのは、乾燥をゆっくり丁寧に行なっているからじゃないかと思います。 メキシコのこちらの工場では、デカフェの生産量に制限をかけて、比較的ゆっくりした製造をしています。 原料はメキシコの有機栽培を行なっている小規模農家さん79世帯の原料を使い、JAS認定のある工場で生産していますが、当店がもっていなく小分けで購入しているので、JAS認証として販売する事はできません。
でも、そういう原料になっています。
メキシコらしいクルミやナッツの味、香りはカラメル系で、とても飲みやすいです。
焙煎がやや深めなので酸味はほとんどありません。 GWにやる事なくてコーヒー飲みすぎちゃったよ!と言う時なんか、おしっこが近くなりにくいデカフェがおすすめですよ!